tnkado’s blog

駄文で綴る中年のたわごと(戯言)です

「北風小娘」20


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鉛色した厚い雲が、陽射しをさえぎる土曜の午後

 

少し伸びたセミロングの黒髪をキュッと結んで

北風小娘の「あんず」は、雪山の山頂から麓に向け

まっしぐらに駆け抜けた

 

樹の枝は、重く降り積もった雪で

今にも折れそうなほど、弓なりに折れ曲がっていたが

駆け抜ける風圧でドバッと雪が派手に落ち

 

ズドンと落ちた振動で、キタキツネがおどろいて

顔を出してキョロキョロしていた

 

「あんず」は麓にある、大きな農家造りの庭で

「ドーム型のかまくら」を作っている

子どもたちの様子を見に来た

 

1.5メートルくらいの円を描き

円に沿って雪を積み上げていく

 

20㎝くらい積み上げ、バケツで水を散布して

スコップで叩き雪を固める

 

「あんず」は、軽い口笛を吹くように

フッーと息をゆっくり長く吐くと

冷たい風が水を凍らせた

 

子どもたちは、高さが1mくらいになるまで

繰り返えし、それから形を「かまくら」に整え

最後に全体に水を散布した

 

 「かまくら」の入り口に飾られた

一番年下の女の子が作った

赤い目をした「雪ウサギ」が

ニッコリ「あんず」に向かって

笑いかけていた

 

 

 

 

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