tnkado’s blog

駄文で綴る中年のたわごと(戯言)です

「伝言板」


スポンサーリンク
 

学生時代に下宿生活をしていた時期があり 

生活費と学費を稼ぐため

中華料理店でアルバイトをしていた

 

春の彼岸を過ぎたある日

 

11時からのアルバイトは

昼間はサラリーマンのランチや

春休み中の中高生が、安くて美味しい

ラーメンや炒飯を食べに来るので忙しく

 

夜は、異動シーズンの送別会で

店はにぎわった

 

楽しそうな様子を厨房から時々見ていると

どんな言葉で表現したらよいのか?

わからないけれど

「俺は将来何がしたいのか?」と不安になった

 

アルバイトを23時に終え

銭湯に寄り、帰宅する頃には日付も変わっていた

 

賄いの夕飯を食べて、深夜ラジヲを聞きながら

単行本を読んだり、ボーッとしたりしていた

 

しばらくすると

始発電車が走り出す音が聞こえた

 

窓を開けると

春の冷たい空気が部屋に入ってきた

 

私は急に思い立ち

部屋を出て、自転車を走らせ駅に向かった

 

 改札口前にある伝言板の左の端に

「ただお前がいい」の歌詞を真似て

 

 「今日もまた一つ 忘れ物をした」と書いてみた

 

部屋に戻り、冷静に考えてみたが

そもそも

「いったい何を毎日忘れているのだろうか?」

「忘れたもの」がわからなかった

 

 バカな男の20歳の春だった

 

※ 作詞作曲:小椋佳   歌:中村雅俊

  ドラマ「俺たちの旅

 

プライバシーポリシー お問い合わせ