tnkado’s blog

駄文で綴る中年のたわごと(戯言)です

「北風小娘」17


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冬の凛とした凍てつく朝の空気の中

 

吐く息は白く

耳当てをして、手袋をハメ

ほっぺたを紅くしながら

カラシ色の帽子をかぶった子どもたちが

次々と校門の中に入って行く

 

校庭に出来た霜柱を踏みつけて

靴を汚しながら鬼ごっこをして遊ぶ子供たちや

 

鉄棒に寄りかかりながら

冬休み中の出来事をワイワイガヤガヤ

話す子供たちがいる

 

冬休みが終わり、学校に賑わいが戻ってきた

 

チャイムが鳴ると、校庭には静寂が戻り

教室の窓ガラスは曇った

 

 その様子を、校庭の片隅にある桜の枝に座りながら

「あんず」「かりん」「市」は眺めていた

 

3人は深呼吸をした

 

ロウバイの甘い香りが微かにして

新しい場所へ旅立つ春が訪れることが

そう遠くないと、それぞれ感じた

 

「あんず」が「ニターッ」と笑い

 

「よーーーし、神社の鳥居まで競争だ!

ビッケになったらお菓子ゴチね」

と 云うと同時に駆け出した

 

「えーーー」

「ズルいでゴザルーーー」と

「かりん」と「市」は大声で叫んだ

 

「市」は 懐から八手の葉を取り出して

 頭の上に乗せて両手で印を結び,呪文を唱えた

 

すると、成人男性の親指くらいの大きさの「市」は

一瞬で3メートルはあろうかと思うほど巨大化した

 

「市」は肩に「かりん」を乗せ

大きな翼を広げて数回羽ばたくと

 あっという間に「あんず」は抜かれ

 

「あーーー、ズルーーーーーーぃーーー」と

「あんず」は叫びながら後を追った

 

「ビッケはお菓子ゴチだよねー」と

「かりん」と「市」が「あんず」に向かい

笑いかけた

 

 

 

 

 

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