tnkado’s blog

駄文で綴る中年のたわごと(戯言)です

邪鬼 ~ 鬼に憑かれた男~(̪伍)


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増長天の眷属である
三叉戟(さんさげき)を手にした
鳩槃荼(くばんだ)衆に追われ

赤鬼に手を引っ張られ 
男は走っていた

「こっちだ!」と赤鬼が云い
大きな木の箱のようなものの陰に隠れた

男は 視線を周囲に向けると 
全ての物が大きく見え
遠くでは 大きな蟻が列をなして
死んだ昆虫に群がっていた

「怖い・・・」
何であんなに
大きな蟻がいるのだろうか?
と思った

が、いや 違う・・・
蟻が大きいのではなく
自分が小さいのだ!と
男は気付いた

鳩槃荼(くばんだ)衆の一部が
背中の羽を広げると羽ばたき
空高く飛んだ

頭上からの偵察で 箱の物陰に隠れていた
男と赤鬼は発見された

「チクショー」と赤鬼は呟き
人間の男が寝ているのが見え
そちらの方向へ
再び男の青い腕を力強く握り
走り出した

空中からの鳩槃荼(くばんだ)衆が
三叉戟(さんさげき)を投げつけて来たが
辛うじてかわすと

寝ている人間の口の中に飛び込んだ


ゴホッ

むせかえり 男は夢から覚めた

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