tnkado’s blog

駄文で綴る中年のたわごと(戯言)です

「凛と生きる」ということ


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14歳の私は 夕食を早食いで済ませると 

カバンに勉強道具と煎餅や菓子を

テキトーに放り込み

 

自転車にまたがって 同級生のHの

古い平屋建ての家へ 週に何度か向かった

 

薄暗い電球の部屋で 授業のノートを見せながら

一緒に勉強し

 弟や妹とは 一緒に煎餅や菓子を食った

 

勉強に飽きて 煎餅や菓子で腹を満たすと

レコードの針が ところどころ飛んじゃう

ずうとるび」の「みかん色の恋」をかけて

みんなで振り付けの真似をした

 

Hの母親は Hと弟が小学校で 

妹は入園前の頃に

 

職場で知り合った年下の男と 

男女の仲になり

 

母親では無く 妻でも無く 

「女」であることを選び 逐電した

 

Hの父親は 長距離運転手で

男で一つで 子育てをしていた

 

だから 父親が何日も不在の日や

弟や妹の体調が悪いと

長男のHは 弟・妹の世話のため

学校を休むことも 多々あり

 

カツカツの 決して裕福とは云えない

生活環境で 勉強も遅れ気味だった

 

Hは足が速く 長距離走が得意で

陸上競技で有名な私立高校から

特待生で声が掛かった

 

でもHは 弟と妹の世話を選び

高校進学はせずに 

 

働きながら 夜間に学ぶ道を選んだ

 

父親の転職に伴い

H家族は その後引っ越しをした

 

先月 都内に仕事で出掛けた際

とある駅の改札口から離れた場所で

マスクを外して壁に向かい

仕事の電話をしていたら

女性から声を掛けられた

 

女性はマスクをしていたので 

最初はわからなかったが

マスクを外すと 幼い頃の面影があり

Hの妹さんとわかった

 

妹さんによると 

弟くんは医療系の仕事に就き

妹さんは教育系の職を選び

 

Hは 父親と同じ職の

ドライバーの仕事して

弟と妹の学費を工面したそうだ

 

ただ 癌で既に他界していた

 

よく私とわかったものだ?と思い

質問してみたら

 

ガチョーン」とか

ハラホロヒレハレ」とか

「お呼びでない 

こりゃまた失礼しました」とか

教えてくれたイメージが強烈で

お兄ちゃんの変なともだちを

覚えてくれていたそうだ

 

ただ、残念なことに

「教えられたことは

これまでの人生で

役に立ったことは未だ無い」

とも云っていた・・・

 

 

Hは「凛と生きた」

 

そう 思った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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