tnkado’s blog

駄文で綴る中年のたわごと(戯言)です

邪鬼 ~ 鬼に憑かれた男~(弐)


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彼岸花が盛りの時期を終えると

秋の乾いた空気は
濃緑が並んでいたイチョウ並木を
ところ曼荼羅に薄緑や黄緑へと
変えていく

雲一つない秋晴れの日の午後

神社の境内に凛と立つ
榊の枝は涼風に揺れ

稲刈りが終わった田圃では
イナゴが跳びまわり

畑では 農家の老夫婦が
正月用の葉物野菜の作付けに
精を出していた

その男は
朝からの農作業で疲れ

昼食後 畳の上に横たわると
睡魔がやって来ては瞼を閉じ
うたた寝をしていた

と 突然 喉の奥の方に
虫が飛び込んできたようで

目が覚め 咽(むせ)こんでしまい

とっさに
「ごくり」と唾を飲み込んだ

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