tnkado’s blog

駄文で綴る中年のたわごと(戯言)です

スピンオフシリーズ 「はぐれた天使」6(終)


スポンサーリンク
 

 「はぐれた天使」は

麝香の香りを頼りに

中学校の校門を左に進み

急な下り坂を降り

 橋を渡らずに

川沿いを左にしばらく進んだ

 

匂いが強くなって来て

 3つ目の橋の右手に

寂れた神社が見えた時

「 ここだ!」と

「はぐれた天使」は思った

 

境内に入ろうとした際に

結界が張られていることに気付き

「アイツに違いない」という確信に変わった

 

 麝香鹿の堕天使は

神社本殿の屋根で寝ていた

 

結界の内側に何者かが侵入したことを

察知すると、さっと起き上がると

全身の神経を研ぎ澄まし

侵入者の気配を感じ取ろうと試みた

 

「うっ・・・、これは・・・

かつての仲間(天使)の気配だ・・・」

そう感じ取った麝香鹿の堕天使は

気配のする方向へ身をかがめ走った

 

かつての仲間同士は

思いがけぬ場所で

久しぶりの再会を果たした

 

 「はぐれた天使」は

つい先ほど見た光景を語った

 

 麝香鹿の堕天使は

 

「人間は、これ以上自分が傍にいると

相手がダメになると考えた時に

自ら去ることがあり

去るとは、物理的な距離を意味する場合と

心理的なそれを意味する場合があり

永遠の離別を選択することがあったり」

 

「鏡に映った花や水に映った月のように

眼には見えるが、手に取ることが出来ない

ものを、それでも触れようと

うたかたの夢を見る

俺たちのようなモノには理解し難い

不思議な生き物なのさ」

と、ポツリと云った

 

ところで

「お前(はぐれた天使)は何でココにいるんだ?」

「まさか、相変わらずの方向音痴で

帰り道がわからなくなったんじゃあねえだろうな?」

と、麝香鹿の堕天使に「核心をつかれた」

 

「はぐれた天使」は慌てて

「まっ、まさかそんなことは無い」

「ジャコウの匂いに釣られて

ここまで来ちまったのさ」と

半分は本当で、半分はウソを云ったら

 

「じゃあ、帰り道わかるんだな?」と返され

 

「ち・・・近道あるなら教えてよ」と

バレバレの応答をしたので

神社の境内には

堕天使の大声で笑う声が響いた

 

おしまい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    

 

 

 

 

 

 

プライバシーポリシー お問い合わせ