tnkado’s blog

駄文で綴る中年のたわごと(戯言)です

スピンオフシリーズ 「堕天使 BJ」編 7


スポンサーリンク
 

明け方に降った雷雨で、誤って地上に落ちてしまった

両手にバチを持ち、背中に太鼓を背負った

成人男性の手のひらサイズの

雷神の子ども弐体が、手水舎(ちょうずや)の陰から

物珍しそうに、妙齢の女性を眺めている

 

三毛猫がそれに気が付いて、女性に悪さをしないよう

尻尾を立てて威嚇すると,雷神の子どもたちは

短い脚を急速回転させながら

あわてて本殿の床下に逃げ去った

 

かつて女性と青年は、その神社のイチョウの樹で待ち合せては

誰にも邪魔されない、2人のだけの逢瀬の時を過ごした

 

いつしか女性の身体に、新しい命が宿ると

二人は夫婦として結ばれた

 

女性は仕事を辞め、内職をしながら

双子の育児や家事に励み、男は一生懸命に働き

決して裕福ではないが、暖かい家庭を育んでいた

 

ある日、男性が吐血した

結核だった

 

程なくして、男性はこの世から旅立った

 

女性は涙が枯れるまで泣くと

キリッとした顔になり

再び外で働きながら、子を育てた

 

秋晴れのある日、女性の家に三毛猫がやって来た

どこかの飼い猫が迷い込んだのだろうか?

と、思っていたが、どうやら野良猫の様だった

 

子どもたちが飼いたいと云うので

自分が仕事で不在がちなこともあり

少しでも寂しさが和らぐのであれば・・・と

考えて、飼うことを許した

 

女性は仕事と家庭をワンオペで忙しくこなした

 

それでも時々、どうしようもない寂寞感が生じると

時間を見繕(みつくろ)っては

独りでこの神社を訪れて、イチョウの樹の元で

楽しかった、あの日を想い出しにやって来た

 

子どもたちも成人し、今ではそれぞれ家庭を持っている

 

登校中の、女性の孫が青信号の横断歩道を渡ろうとした時に

わき見運転の車両が赤信号気付かず、交差点に進入してきた

 

と、三毛猫が車両のフロントガラスに飛びつき

運転手が急ブレーキをかけたので

孫はケガを負わずに済んだ

 

が、三毛猫はダメだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プライバシーポリシー お問い合わせ