tnkado’s blog

駄文で綴る中年のたわごと(戯言)です

「北風小娘」13


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昨日の雪が空気中のチリやホコリを掃除したので

遠くまで見渡せるほど空気は澄んでいた

 

今日は雲一つない晴天で

日中、陽当たりのよい場所では雪は解けていたが

 夕暮れの背中に一番星が瞬く頃になると

凍り始めていた

 

たくさんの人で賑わっていた「海の家」も

今は戸を固く閉ざし、来夏まで開くことは無い

 

 

そんな「海の家」の屋根に座り

北風小娘の『あんず』は、冷たい海を見つめていた

 

最近は「かりん」や「市」と一緒に行動することが多いが

この日の昼間は単独行動をしていた

 

 「これから『かりん』と『市』が

クリスマスパーティーに来るから、もう帰ろう」と

「あんず」が立ち上がろうとした時

 

「ヒュー」っと強い風が一瞬吹き

冬の神様が「あんず」の前に現れた

 

「『かりん』と仲良くしてくれているそうだな

 お礼に、お前にこれを預けよう」 と云いながら

冬の神様は、懐から「青い扇子」を取り出した

 

「あんず」は目を輝かせ、手を差し出すと

 冬の神様は、小さな手に扇子を乗せて

 

「見習い期間中だから、普段は使ってはいけない」

「どうしても使わざるを得ない、必要な時に使いなさい」

と云った

 

「あんず」は

「それは、どのような時ですか?」と聞いたが

 

冬の神様は

「その判断は、お前さんに『まかせる~』」

とだけ云い、フッと消えた 

 

 帰宅した「あんず」は、自分の部屋で

 「どんな時に使っていいのだろうか?」と

腕組みしながら

哲学者みたいなムズカシイ顔をして

「う~~~、わからないなぁ⤵⤵⤵」と

唇をかみしめながら考え悩んでいるうちに

 『かりん』と『市』がやって来た

 

『あんず』と『かりん』は、『市』はカラス天狗だから

「ローストチキン」は

鳥類は共食いになるので食べられないのではないか?と

心配していたが

『市』はムシャムシャと何でも食べていた

カラスは雑食らしい

 

3人はワイワイガヤガヤと、楽しい時間を過ごした

 

2人が帰り、「あんず」は

ベッドに横になりながらいろいろ考えているうちに

いつの間にか眠りに落ちた

 

翌朝、「あんず」は

鳥のさえずりで「はっ」と目が覚めた

 

昨日「青い扇子」を預かったのは

「夢」だったのかもしれない?と心細くなり

あわてて枕元を見てみると

「青い扇子」はあった

 

「あんず」は「あれは、夢ではなかったんだ」と思い

新しい何かが起きそうな気がして、何だかワクワクした

 

 

 

 

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