tnkado’s blog

駄文で綴る中年のたわごと(戯言)です

「北風小娘」12


スポンサーリンク
 

冷たい風が竹柵のすき間を通り抜け

虎落笛(もがりぶえ)を吹いた 

 

空は鉛色をしていて

降れば雨ではなく雪に相違ないような

底冷えのする日

 

「かりん」

小学校の校庭の片隅にある鉄棒に

独りでポツンと座っていた

 

数日前までは、給食の時間になると

教室の真ん中にあるストーブで

ヤカンの湯に牛乳瓶を入れて温めて

ホット牛乳を作ったり

ミカンを焼いたりして

わいわいがやがや、子供たちが食事をし

 食べ終えると、校庭へ駆け出して遊ぶ

 

ぎやかだった小学校も

今は冬休みに入り、ひっそりしている

 

内気で恥ずかしがり屋だった「かりん」

それまでは、独り寂しく過ごす時間が多かった

 

でも今は、「あんず」や「市」と過ごす時間が増え

以前のようなか細い声ではなく

ハキハキと話すようになった

 

「かりん」は今、楽しいと思えるようになっていた

  

「か~り~ん~」

「かりん殿ーーー」と

遠くから「あんず」と「市」が呼ぶ声が聞こえた

 

ハアハア息を切らせながら、2人が駆けてきた

 

「かりん」はこの夜

 初めて「あんず」の家へ

「お泊りする」ことになっていた

 

「あんず」が

「今夜は『かりん』が来るからすき焼だって。

 デザートはケーキだよ。明日は休みだから

 遅くまでガールズトークしようね!」と云う

 

それを聞き、「市」が寂しげな顔をしていると

「『市』も泊まっていいよ」

「一応♀だから、一緒にガールズトークしよう」

と「あんず」が云う

 

「市」は歓喜し跳びまわった

 

「あっ、でも変身はしなくていいよ」と付け加えた

 

「市」は頭をポリポリかきながら

「あのことは、もう忘れてくださいよ」と恥ずかしそうに云う

 

それを見て「かりん」はクスクス笑う

 

「お腹がすいたから、行こう」と

「あんず」が声をかけ

3人は仲良く駆け出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プライバシーポリシー お問い合わせ