tnkado’s blog

駄文で綴る中年のたわごと(戯言)です

北風小娘

邪鬼 ~ 鬼に憑かれた男~(拾捌)

「お主 鬼の匂いがするな・・・」と 男の背後から 女性の声がしたビクッ・・・としながら 男がふり返ると 巫女装束の女性が 左手には薙刀 その左側には駿馬 女性の右側には 片手に棒を持った老猿 弓を持った兎がいた「おいお前・・・」と 今度は鎮座していた…

邪鬼 ~ 鬼に憑かれた男~(拾柒)

ある日 男は「縁切り神社」の噂を聞き 「コイツラと縁を切れないものか?」と考え ネットで情報収集してみたそもそも 邪鬼2体と同化した身体で 神社を訪れても大丈夫なのだろうか?と 疑問に思い 赤鬼に聞いてみたが 「自分たちは 邪鬼になるための修業中の…

邪鬼 ~ 鬼に憑かれた男~(拾陸:副題「すきま風」)

人の一生には 追い風 向かい風 すきま風など さまざま風が吹く時があるだから 今絶好調な人でも いつまでも順風満帆ということは 決してなくやることなすことが 裏目裏目の人でも 永遠に逆風に向かい歩くことは 無い風向きは いつか必ず 変わる男は 人生には…

邪鬼 ~ 鬼に憑かれた男~(拾伍)

風族の娘を見た(※拾肆 参照)晩に 夢を見た赤とんぼが舞う ある夕刻 部活動を終え 学校の駐輪場は 帰宅する生徒で 少しだけ賑やかだった 自転車にまたがり 「じゃあね」と 手を振りながら 生徒はそれぞれ帰途につく すでに部活は引退したが 後輩の練習を見…

邪鬼 ~ 鬼に憑かれた男~(拾肆)

男は ガチャッと 新聞配達のバイクが スタンドを立てる音で目が覚めた 時計に目をやると 間もなく午前五時を迎える頃だった「あ~ぁ」と 大きく両手を広げアクビをしたカーテンをあけ 窓を開き 涼しいというよりも ヒンヤリした外気を室内に入れたその時ふと…

邪鬼 ~ 鬼に憑かれた男~(拾参)

いや・・・待てよ 自分のことは棚に上げて考えているが 昼間 会社のセクハラ野郎に怒りを覚えたが あの感情は 言い換えれば“”鬼“”じゃあないか? 普段の生活の中で“”ムカつく“”と思ったり “”イラッ“”と来る感情は“”鬼“”じゃあないか? そう考えるなら 人は誰…

邪鬼 ~ 鬼に憑かれた男~(拾弐)

自分たち兄弟は 邪鬼のなるための修行の身で 闇の神であった「夜叉」に仕えていたが、「夜叉」はお釈迦様に調伏され 心を入れ替え 仏国土を護る「神将」になった「夜叉」がまだ闇の神であった頃 仕えていた邪鬼どもの多くは 天燈鬼や龍燈鬼のように 多聞天(…

邪鬼 ~ 鬼に憑かれた男~(拾壱)

「兄ちゃ~ん 待って~」と 男は大きな声で呼びながらお天道様の陽射しが降り注ぐ 野の花が咲く 小川沿いの細い道を 前方にいる赤色のモノを追いかけ 走っていた全速力で走るが なかなか追いつけず そのうち足がもつれて つまづいて転んだ転んだ拍子に手をつ…

邪鬼 ~ 鬼に憑かれた男~(拾)

帰宅した男は 一人暮らしになってからは いつもシャワーで済ませていたが その日はゆっくりと湯船に浸かりたいと思い まずは浴槽を洗い それから熱い湯を張った 風呂に入りながら 昨日からの出来事を頭の中で反芻(はんすう)してみたが 何が自分の身におき…

邪鬼 ~ 鬼に憑かれた男~(玖)

男は 心臓がバクバクし 冷や汗をかいた 額に出来た「しこり」のようなものは さらに痛みを増し 触ると更に伸びたように思えたその時 突然あらわれた黒い雲が空一面を覆い 雷鳴が鳴り響いたここにいてはマズイ・・・と 男は思い とっさにトイレの個室に駆け込…

邪鬼 ~ 鬼に憑かれた男~(捌)

「んっ・・・何だ???」 「声が何で頭の中で聞こえる???」と 男が訝しげに思った刹那「キャッ」と叫ぶ女性の声がした 職場にいた全員が声のした方向を向くと 苦労知らずの2代目ボンボン専務が ニヤニヤしながら突っ立ていたそいつは 従業員は文句言え…

邪鬼 ~ 鬼に憑かれた男~(柒)

「えっ!・・・」 「誰の声?」と思うと同時に 額にできた「しこり」のようなものが 強烈に痒くなったエレベーターの 操作盤の前に立っていた男は 痒みのある部分を 指で掻きながら 目線を斜め上にある鏡に向けた女性は携帯電話の画面を見ていた「気のせいか…

邪鬼 ~ 鬼に憑かれた男~(陸)

まだ早い時間なので もう一度寝ようと試みたが すっかり目が覚めてしまい 男は寝るのを諦めて 早々に起床することにした顔を洗い 寝ていて痒みを感じた場所に指を当てると 昨夜よりも少し硬く 盛り上がっている気がしたので 鏡を見て確認してみたが よくは分…

邪鬼 ~ 鬼に憑かれた男~(̪伍)

増長天の眷属である 三叉戟(さんさげき)を手にした 鳩槃荼(くばんだ)衆に追われ赤鬼に手を引っ張られ 男は走っていた「こっちだ!」と赤鬼が云い 大きな木の箱のようなものの陰に隠れた男は 視線を周囲に向けると 全ての物が大きく見え 遠くでは 大きな…

邪鬼 ~ 鬼に憑かれた男~(̪肆)

「穏(おん・おぬ)」という漢字には 「この世のものではない、見えない存在」 という意味があり 「鬼」の語源でもある「鬼」には色があり 仏教の「五蓋(ごがい)」という 修行を邪魔する 5つの煩悩を表す色が あてはめられ赤は「貪欲(とんよく)」強い欲…

邪鬼 ~ 鬼に憑かれた男~(参)

その晩 寝ていた男は 額が痒くなり目が覚めた 秋風が吹く頃になったとはいえ 夏の名残の「蚊」もまだいる「蚊に刺されたのだろか?」と思いながら 利き手で痒い場所を掻きながら 指先でその場所を触ってみると 2カ所が「ぷっくり」膨らんでいたが、「蚊に刺…

邪鬼 ~ 鬼に憑かれた男~(弐)

彼岸花が盛りの時期を終えると秋の乾いた空気は 濃緑が並んでいたイチョウ並木を ところ曼荼羅に薄緑や黄緑へと 変えていく雲一つない秋晴れの日の午後神社の境内に凛と立つ 榊の枝は涼風に揺れ稲刈りが終わった田圃では イナゴが跳びまわり畑では 農家の老…

邪鬼 ~ 鬼に憑かれた男~(壱)

かつて闇の神であった「夜叉」は お釈迦様に調伏されて心を入れ替え 仏国土を護る「神将」になった「夜叉」がまだ闇の神であった頃 仕えていた邪鬼どもがいた邪鬼どもの多くは 天燈鬼や龍燈鬼のように 多聞天(毘沙門天) 広目天 持国天 増長天の四天王に捕…

九字切り 陸(終)

玄関が開いたような気がして 廊下を音を立てずに 小走りで迫りくるモノの気配を感じた 「来た」と思い 起き上がろうとした と同時に部屋のドアが開き 「ここにいたのか!」 と聞こえ 金縛りにあった そいつは 寝ている私に馬乗りになり 顔を私の耳元に近づけ…

九字切り 伍

父親は ガタガタ震えて怯えている 娘のそばに駆け寄り 「大丈夫か」と声を掛けた 母親と友人も マンションへ駆けつけた 当面必要なものを荷造りし 戸締りを確認して 部屋のカギを掛けた さすがに友人も恐怖を覚え 一人の部屋には帰りたくないと云う 時間も遅…

九字切り 肆

マンションの部屋が見える場所に車を停め 母親と友人には車内に残ってもらい 父親 その女の子 私の三人で部屋に向かった 依頼したので 破魔矢とお札を持参してくれていた その女の子に「お札」 父親に破魔矢を身に着けてもらい それぞれに 電気を点灯した状…

九字切り 参

きちんとお祓いをするまで 当面は実家に帰るのがいいと思うと伝え 当人も納得したので 店の外に出た 持って来ていただいた「粗塩」を 全員の身体 清酒は車にかけた 友人は下宿先のアパートに帰るというので いつもはシャワーのみで入浴を済ませているそうだ…

九字切り 弐

父親に連絡すると 夫妻で来るというので 現地で落ち合うことにして 「粗塩」「清酒」「懐中電灯」、そして もし神社やお寺で購入した「護符・お札」があれば それを持参することを依頼した 私は自宅の仏間で手を合わせ 線香は上げず ご先祖様にご加護を願う…

九字切り 壱

平成が終わり 新しい元号に変わった年 大学へ進学したその子は マンションで 念願の一人暮らしを始めた 引越しの荷物を部屋に運び終えると 業者は帰り 手伝いに来た父親は 夕飯を済ませると 帰途についた 心配性の母親は その晩 泊まって行くことになった 母…

「北風小娘」 令和弐年文月 其の陸(終)

「あんず」と「女性の魂」が声の方へ 振り向くと 神の遣いの巫女「不知火(しらぬい)」と 「狛犬の「疾風(はやて)」がいた 「あんず」を導いた 「時の扉」が開いた神社は 「縁切りさん]のいる神社だった 「縁を切るということは 未来永劫縁あることが無く…

「北風小娘」 令和弐年文月 其の伍

生前 女性は内気で控えめで 幼少の頃から友人は少なく 学校では 仲間外れにされたり イジメに遭うことも 多々あった 社会人になり 就職した会社でも イジメに遭った 周囲から無視され 孤独な毎日を過ごしていた ある日 偶然そのことを察した男性が 女性に手…

「北風小娘」 令和弐年文月 其の肆

「あんず」は神社の「時の扉」の前まで来た 「アネゴーーー」と呼ぶ声が再び聞こえたので 振り返った すると、人型の紙人形が まるで妖怪 一反木綿のように ゆらゆらと 追いかけてくるのが見えて 回収するの忘れてたいたことに 気が付き 紙人形が来るのを待った …

「北風小娘」 令和弐年文月 其の参

梅雨の晴れ間の その日 どこかで夏草を刈った匂いが 湿った南風に乗って 運ばれてきた 「暑いのは苦手だなぁ~ 早く(任務を)終わらせて帰ろう」 と、「あんず」は思い そのアパートから離れた 懐かしい風の道を 夏草の匂いを頼りに進むと 隣町の神社にたど…

「北風小娘」 令和弐年文月 其の弐

男は2人分のトーストと目玉焼きに ジュースとコーヒーを添え 妻の笑顔の写真と お腹の大きな妻と男が並んだ写真と 新しい命を迎えるために 心を込めた編み物が供えられた仏前に 線香をあげ 手を合わせた 男は過去を悔やみ 自分を責めていた そして目を閉じ…

「北風小娘」 令和弐年文月 其の壱

人影も見えない 濃紺の闇に包まれた街に 空が青から赤へと 色移ろう時が来た 朝陽が差し込むと 鳥はさえずり 朝刊を配り終えて 配達所へ戻る 新聞店のバイク音が響き渡る 小さな神社の境内にある イチョウの根元に 「時の扉」が突然現れた 扉が少し開くと ピ…

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