tnkado’s blog

駄文で綴る中年のたわごと(戯言)です

北風小娘

邪鬼 ~ 鬼に憑かれた男~(̪伍)

増長天の眷属である 三叉戟(さんさげき)を手にした 鳩槃荼(くばんだ)衆に追われ赤鬼に手を引っ張られ 男は走っていた「こっちだ!」と赤鬼が云い 大きな木の箱のようなものの陰に隠れた男は 視線を周囲に向けると 全ての物が大きく見え 遠くでは 大きな…

邪鬼 ~ 鬼に憑かれた男~(̪肆)

「穏(おん・おぬ)」という漢字には 「この世のものではない、見えない存在」 という意味があり 「鬼」の語源でもある「鬼」には色があり 仏教の「五蓋(ごがい)」という 修行を邪魔する 5つの煩悩を表す色が あてはめられ赤は「貪欲(とんよく)」強い欲…

邪鬼 ~ 鬼に憑かれた男~(参)

その晩 寝ていた男は 額が痒くなり目が覚めた 秋風が吹く頃になったとはいえ 夏の名残の「蚊」もまだいる「蚊に刺されたのだろか?」と思いながら 利き手で痒い場所を掻きながら 指先でその場所を触ってみると 2カ所が「ぷっくり」膨らんでいたが、「蚊に刺…

邪鬼 ~ 鬼に憑かれた男~(弐)

彼岸花が盛りの時期を終えると秋の乾いた空気は 濃緑が並んでいたイチョウ並木を ところ曼荼羅に薄緑や黄緑へと 変えていく雲一つない秋晴れの日の午後神社の境内に凛と立つ 榊の枝は涼風に揺れ稲刈りが終わった田圃では イナゴが跳びまわり畑では 農家の老…

邪鬼 ~ 鬼に憑かれた男~(壱)

かつて闇の神であった「夜叉」は お釈迦様に調伏されて心を入れ替え 仏国土を護る「神将」になった「夜叉」がまだ闇の神であった頃 仕えていた邪鬼どもがいた邪鬼どもの多くは 天燈鬼や龍燈鬼のように 多聞天(毘沙門天) 広目天 持国天 増長天の四天王に捕…

九字切り 陸(終)

玄関が開いたような気がして 廊下を音を立てずに 小走りで迫りくるモノの気配を感じた 「来た」と思い 起き上がろうとした と同時に部屋のドアが開き 「ここにいたのか!」 と聞こえ 金縛りにあった そいつは 寝ている私に馬乗りになり 顔を私の耳元に近づけ…

九字切り 伍

父親は ガタガタ震えて怯えている 娘のそばに駆け寄り 「大丈夫か」と声を掛けた 母親と友人も マンションへ駆けつけた 当面必要なものを荷造りし 戸締りを確認して 部屋のカギを掛けた さすがに友人も恐怖を覚え 一人の部屋には帰りたくないと云う 時間も遅…

九字切り 肆

マンションの部屋が見える場所に車を停め 母親と友人には車内に残ってもらい 父親 その女の子 私の三人で部屋に向かった 依頼したので 破魔矢とお札を持参してくれていた その女の子に「お札」 父親に破魔矢を身に着けてもらい それぞれに 電気を点灯した状…

九字切り 参

きちんとお祓いをするまで 当面は実家に帰るのがいいと思うと伝え 当人も納得したので 店の外に出た 持って来ていただいた「粗塩」を 全員の身体 清酒は車にかけた 友人は下宿先のアパートに帰るというので いつもはシャワーのみで入浴を済ませているそうだ…

九字切り 弐

父親に連絡すると 夫妻で来るというので 現地で落ち合うことにして 「粗塩」「清酒」「懐中電灯」、そして もし神社やお寺で購入した「護符・お札」があれば それを持参することを依頼した 私は自宅の仏間で手を合わせ 線香は上げず ご先祖様にご加護を願う…

九字切り 壱

平成が終わり 新しい元号に変わった年 大学へ進学したその子は マンションで 念願の一人暮らしを始めた 引越しの荷物を部屋に運び終えると 業者は帰り 手伝いに来た父親は 夕飯を済ませると 帰途についた 心配性の母親は その晩 泊まって行くことになった 母…

「北風小娘」 令和弐年文月 其の陸(終)

「あんず」と「女性の魂」が声の方へ 振り向くと 神の遣いの巫女「不知火(しらぬい)」と 「狛犬の「疾風(はやて)」がいた 「あんず」を導いた 「時の扉」が開いた神社は 「縁切りさん]のいる神社だった 「縁を切るということは 未来永劫縁あることが無く…

「北風小娘」 令和弐年文月 其の伍

生前 女性は内気で控えめで 幼少の頃から友人は少なく 学校では 仲間外れにされたり イジメに遭うことも 多々あった 社会人になり 就職した会社でも イジメに遭った 周囲から無視され 孤独な毎日を過ごしていた ある日 偶然そのことを察した男性が 女性に手…

「北風小娘」 令和弐年文月 其の肆

「あんず」は神社の「時の扉」の前まで来た 「アネゴーーー」と呼ぶ声が再び聞こえたので 振り返った すると、人型の紙人形が まるで妖怪 一反木綿のように ゆらゆらと 追いかけてくるのが見えて 回収するの忘れてたいたことに 気が付き 紙人形が来るのを待った …

「北風小娘」 令和弐年文月 其の参

梅雨の晴れ間の その日 どこかで夏草を刈った匂いが 湿った南風に乗って 運ばれてきた 「暑いのは苦手だなぁ~ 早く(任務を)終わらせて帰ろう」 と、「あんず」は思い そのアパートから離れた 懐かしい風の道を 夏草の匂いを頼りに進むと 隣町の神社にたど…

「北風小娘」 令和弐年文月 其の弐

男は2人分のトーストと目玉焼きに ジュースとコーヒーを添え 妻の笑顔の写真と お腹の大きな妻と男が並んだ写真と 新しい命を迎えるために 心を込めた編み物が供えられた仏前に 線香をあげ 手を合わせた 男は過去を悔やみ 自分を責めていた そして目を閉じ…

「北風小娘」 令和弐年文月 其の壱

人影も見えない 濃紺の闇に包まれた街に 空が青から赤へと 色移ろう時が来た 朝陽が差し込むと 鳥はさえずり 朝刊を配り終えて 配達所へ戻る 新聞店のバイク音が響き渡る 小さな神社の境内にある イチョウの根元に 「時の扉」が突然現れた 扉が少し開くと ピ…

輪廻転生(あの日の記憶を宿したモノ) ~ 物語 壱(後編)

霊体と男の子の魂が話し合いをしていた その時 かつて眷属神で、今は「堕天使」※1となったモノと 「はぐれた天使」※2が偶然通りかかった 「堕天使」と「はぐれた天使」は 「霊体」と「魂」に 「何をしているのか?」と尋ね いきさつを聞いた すると「はぐ…

輪廻転生(あの日の記憶を宿したモノ) ~ 物語 壱(中編)

わずかに男の子の記憶を残した魂は 人間の世界にやって来た 魂は悩んで、街をさまよっていた ふつうは気が合うと思う女性に宿るのだが 前世の記憶を少し残していたので 同じように母親を悲しませるようなことは 繰り返したくない・・・と考えていた とその時…

輪廻転生(あの日の記憶を宿したモノ) ~ 物語 壱(前編)

とあるところに、 夭折(ようせつ※)した男の子がいた 男の子は先天性の病を発していた 母親は、毎日男の子の病室で 寝泊まりして看病を行い 父親は、仕事を終えると病院へ駆けつけ 母親に休憩を取らせ、面会終了時間まで ベットの隣で、本を読んだりしてあ…

輪廻転生(あの日の記憶を宿したモノ) ~序章

ヒトが死ぬと、魂は身体を離れ 49日間はこの世に留まるが その後は「あの世」へ旅立つ 長い旅の時間(とき)の流れの中で 魂は浄化され 前世の記憶を忘却する 旅が終わりを迎える頃に 記憶の忘却も完了する その後、魂は大きな渦(うず)の中に入る 渦は浄…

スピンオフシリーズ 「はぐれた天使」6(終)

「はぐれた天使」は 麝香の香りを頼りに 中学校の校門を左に進み 急な下り坂を降り 橋を渡らずに 川沿いを左にしばらく進んだ 匂いが強くなって来て 3つ目の橋の右手に 寂れた神社が見えた時 「 ここだ!」と 「はぐれた天使」は思った 境内に入ろうとした…

スピンオフシリーズ 「はぐれた天使」5

夫婦は精神的に疲弊しきっていた中で 考えられる準備を行い 何度も話し合い、覚悟を決めていた 子どもが外出したその日 夫は親族に電話を掛けた 受話器を置くと 夫は妻を絞殺し 自らは縊死した 魂が肉体を離れ浮遊した 子どもには遺書が残されていた 今後の…

スピンオフシリーズ 「はぐれた天使」4

死神は「はぐれた天使」の気配に気付くと 「よっ!」と、右手を上げた 「天使」と「死神」は仲が悪いわけでは無い とその時、東の空から天使が 大きな翼を羽ばたかせやって来た 死神と「はぐれた天使」のいる場所に 降り立つと「あれっ?」と天使が云う 「は…

スピンオフシリーズ 「はぐれた天使」3

「はぐれた天使」は 真っ白な翼をたたみ 暮れなずむ小さな街の 電柱の上にポツンとたたずんで 「どうしようか?」と思い悩んでいた ギュルルル~と腹の虫が鳴いた と、ちょうどその時 風に乗って食欲をそそる 程よい匂いがやって来た その匂いに誘われて 人…

スピンオフシリーズ 「はぐれた天使」2

その天使の父母は、かつて人間の 「恋愛」に関することを担当していた ところがある時、その様子が 「見ることができる能力」を持つ 人間に見られてしまい 天上界を揺るがす大問題になってしまった が、幸いに「はぐれそうな天使」※1という 曲にその様子が…

スピンオフシリーズ 「はぐれた天使」1

梅雨時の曇天模様が続き 人々の心もどことなく 湿っぽくなっていたが 大陸からの高気圧がせり出し 朝から乾いた空気に包まれ カラッと晴れたその日 世界規模での 悪い流行病(はやりやまい)が蔓延し 未だに収束の兆しが見えないので 夏の神様に言いつけられ…

スピンオフシリーズ 「堕天使 BJ」編 8

女性は、「三毛猫」を“”男性の化身ではないか?“”と 心の中でひそかに思っていたので、嘆き悲しんだ 一方で、命を賭して「孫」を救ってくれたことに感謝し 手厚く葬った その日、女性は“”男性“”と二人で費やした 互いに無意識に甘えあい 穏やかな時の流れに…

スピンオフシリーズ 「堕天使 BJ」編 7

明け方に降った雷雨で、誤って地上に落ちてしまった 両手にバチを持ち、背中に太鼓を背負った 成人男性の手のひらサイズの 雷神の子ども弐体が、手水舎(ちょうずや)の陰から 物珍しそうに、妙齢の女性を眺めている 三毛猫がそれに気が付いて、女性に悪さを…

スピンオフシリーズ 「堕天使 BJ」編 6

かつて眷属神だった麝香鹿(ジャコウジカ) 今はBJと名乗る堕天使は 塒(ねぐら)とした神社の 石造鳥居の上で寝ていた 五月闇に雨がしとしと降り出し 紫陽花の葉を揺らすと 蝸牛(かたつむり)が目覚め 滴(しずく)で濡れた葉の上を 這い始めた 遠くで稲…

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