tnkado’s blog

駄文で綴る中年のたわごと(戯言)です

「北風小娘」20

鉛色した厚い雲が、陽射しをさえぎる土曜の午後

 

少し伸びたセミロングの黒髪をキュッと結んで

北風小娘の「あんず」は、雪山の山頂から麓に向け

まっしぐらに駆け抜けた

 

樹の枝は、重く降り積もった雪で

今にも折れそうなほど、弓なりに折れ曲がっていたが

駆け抜ける風圧でドバッと雪が派手に落ち

 

ズドンと落ちた振動で、キタキツネがおどろいて

顔を出してキョロキョロしていた

 

「あんず」は麓にある、大きな農家造りの庭で

「ドーム型のかまくら」を作っている

子どもたちの様子を見に来た

 

1.5メートルくらいの円を描き

円に沿って雪を積み上げていく

 

20㎝くらい積み上げ、バケツで水を散布して

スコップで叩き雪を固める

 

「あんず」は、軽い口笛を吹くように

フッーと息をゆっくり長く吐くと

冷たい風が水を凍らせた

 

子どもたちは、高さが1mくらいになるまで

繰り返えし、それから形を「かまくら」に整え

最後に全体に水を散布した

 

 「かまくら」の入り口に飾られた

一番年下の女の子が作った

赤い目をした「雪ウサギ」が

ニッコリ「あんず」に向かって

笑いかけていた

 

 

 

 

To Doリスト 賛成派です

先日、朝のラジオ番組で

To Doリストに関して取り上げていた

 

リスナーさんからの投稿で

「職場のPC画面脇に、用途別に色分けした付箋を貼り

メモ代わりにしているのを見ると、その付箋を作成する時間で

何か1つの作業が出来るのはないか?」という

ToDoリストに反対する内容があった

 

番組DJの方はToDoリスト賛成派で

ご自身は100円ショップ等で小さなメモ用紙を購入し

使用しているとのこと

 

私もToDoリスト賛成派です

 

理由は、やるべきことを自分の頭の中で整理でき

可視化することにより、約束の失念防止になるから

 

スマートフォンiPhoneタブレット等の

機能を活用している方もおられるようですが

 

アナログ派の私は、B5サイズのレポート用紙1枚を

4つ折りにして、4日分を時系列に

「当日必ず行うこと」「可能であれば行いたいこと」の

順番で前日の夜に書き出して

手帳に挟んでチェックしております

 

加齢で物忘れが増えたのでね(笑)

 

商談予定を書き込むことが無い日は

気持ちが超ーーー焦ります

 

明日は書き込むことが少ないので

「北風小娘」20と書いてみた

 

結果は

最近何があったか?「あんず」に教えてもらい

近日、皆様にご報告申し上げます

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後の春休み

高校3年の三学期

 

始業式の数日後には

通称「卒業試験」と呼ばれる

三学期末テストが開始され

 翌週には採点されたテストが返された

 

テストが返却されると

1月の終わりを待つことなく

自宅待機になる

 

卒業式の予行練習の為に

登校指定された日を除き

校門をくぐることは無い

 

就職が決まった者は

運転免許を取得するために教習所へ通い

 

推薦で短大や大学へ入学が決まった者

専門学校へ入学が決まった者

 4月から予備校で翌年の受験にチャレンジする者は

 青春を謳歌しようと、アルバイトを始めたり

友人と過ごしたりして、残された時間を使い

 

現役合格を目指す進学組は

試験日までのわずかな時間を勉強に費やす

 

卒業式を終えると「最後の春休み」を迎える

 

それまでの春休みと違うのは

4月になって、再び机を並べて学ぶことが無い

 それぞれの人生に向け歩みだす前の休みということ

 

あと、個人的には

松任谷由実さんの歌う「最後の春休み」は

山本潤子さんハイ・ファイ・セットバージョンの方が好きです

 

 

 

 

 

 

 

 

半ドン

先日、拝読しているブログに

「成人の日に休日出勤した」

という内容の投稿があり

半ドン」を思い出した

 

半ドン」・・・

令和を迎えた今では、死語なのだろうが

私が社会人になった頃は

土曜日は「半ドン」という職場がたくさんあった

 

半ドン」とは、午前中のみ仕事

つまり半日勤務ということ

 

なので、土曜日の昼下がりというと

早々と帰宅する人はもちろん

同僚や友人とランチやレジャーに出かける人等で

街はにぎわうことが多かった

 

 1989年(平成元年)の2月に

金融機関が土曜日の完全休業を開始したことにより

(もちろん、労働時間に関する法律の改正が大きな要因ではあるが)

社会全体で労働時間の短縮・減少に向けた取り組みが

徐々にされたように記憶している

 

私の就職した職場では、当時第2、第4土曜日が完全休業で

他の土曜日は“”半ドン“”だった

 

半ドンといっても、帰宅せずに残業することもあった

 

外線電話や来客が無く、静かな中での事務仕事は

ちゃっちゃとはかどるので、半ドンが実は好きだった

 

まっ、転職してからは「休日」という概念が無くなり

ダラダラと仕事をしているので

公私の区分をきっちりして、メリハリのある仕事を

している人を見ると、見習わなければならないと

反省することが多いのだが・・・

 

 

 

 

 

 

シゲ爺とトミ婆 episode3

立春」とは名ばかりで

毎朝霜が降り、屋外の水道は凍結し

早朝の日陰に干した洗濯物は凍ってしまう

 

そんな頃に、トミ婆が入院したと人伝に知った

 

トミ婆は「めまい」がひどくなり、病院を受診し

貧血の症状があると診断された

 

貧血に対して輸血が施されると

症状は改善した

 

だが、数日経つと徐々に再び「めまい」がした

 

貧血の原因を調べるため、大きな病院で検査を受けた

 

消化器系の癌が見つかり、そいつから

出血しているのが「めまい」の原因だった

 

癌は、すでに有効な治療の施しがない状況だった

 

主治医からは

「永遠に輸血治療を続けることは出来ない」という

主旨の説明があり

シゲ爺や近親者はその現実を受け入れ

覚悟を決めた

 

トミ婆は「もう一度、家に帰りたい」と希望し

 病院は一泊のみの外泊を許可した

 

最後の輸血を終えた日の午後

トミ婆は近親者の車に乗り

久しぶりに懐かしい自宅へ帰ってきた

 

彼女はその晩

シゲ爺と布団を並べて、手をつなぎ寝たそうだ

 

翌日の午後、トミ婆は近親者の車に乗り

再び入院先の病院へ戻った

 

靖国神社にサクラが咲き始め

春風の吹いた晩の夜明け前

トミ婆は、眠るように逝った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シゲ爺とトミ婆 episode2

シゲ爺 「おい、今日は疲れたから、右足を揉め」

私   「えーーーっ、何で俺が揉まなきゃいけねえんだ?

     だいたい、臭そうで嫌だよ」

 

シゲ爺 「それがお客に云うセリフか?」

私   「あんた客じゃねえべ」

シゲ爺 「じゃあ、クルマの保険入えって、客になってやる」

私   「ジジイ、免許持っていねえべ‼

     クルマの運転手するんじゃあねえよ」

シゲ爺 「近所なら大丈夫だべ?」

私   「無免許で運転すんな‼」

 

シゲ爺 「婆さんの漬けた、ゆず大根バリバリ食ったべ

     『一宿一飯の恩義』っう言葉を知らんのか?馬鹿者」

私   「汚ねえな~、そう来るか!」

    「仕方ねえから、5分だけ揉んでやるよ」と云い、揉み始めた

 

シゲ爺 「おい、ちゃんと力入れろ下手クソ」

私   「片脚棺桶に突っ込んでる歳のわりに、口の悪りいジジイだな」

シゲ爺 「お前、顔と性格が悪いのは知ってっけど

     マッサージも下手クソだな~」

    

     「うちの婆さんは揉み上手だぞ‼

      揉まれているうちに、真ん中の足も元気になっちまうんだ」

 

トミ婆  「コラ‼ 爺さま、何ヌカシテンダ‼」

     と、顔を赤らめながらシゲ爺を叱った

 

私   「あとは二人でやってくれ

     年が明けたら、クタバッていねえか見に来てやるからな

     ちゃんと俺のカレンダー飾れよ」

 

シゲ爺 「誰がそんなセンスの悪いカレンダー飾るか!

     お前は貧乏神みたいだから、正月早々は来んなよ」

 

私   「さあて、ビンボー神は帰えるとするかの~」と立ち上がった

     

トミ婆が玄関先で、ビニール袋一杯の「ゆず大根」をくれた

 

外に出て上を見上げると、一番星がはっきり見えた

 

その日は、木枯らしが虎落笛を吹く、北風が強い寒い日だった

 

 

 

 

 

 

 

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